3年前の1月でした。 
10年間、社長まで勤めた会社を解雇され、1年間の無職生活の果てにタクシー会社を紹介してもらったのは・・・ 

1年も無職やってると、本当に自分は世の中にいらない人間なんじゃないかな?と思い始めます。
75社も求人出してるところに応募しても、面接に呼ばれることさえ稀でした。 
そんな状況の中、もう選ぶ余裕なんて全く無い中でのタクシーの話。 
腹を決めて、やることにしました。 
と言うより、やるしかない状況でした。

なんとか採用してもらい、3年前の今頃は必至で二種免許の取得のためにがんばっていました。
そして、必ずやこの世界で成功してみせる!と思っていました。

最初は楽しく仕事してましたけど、2時間も空車で走ればやる気も枯れます。 
それでもあきらめないで走り続ければ、良いことが待ってるときもあったり、そうではなかったりw 
でも・・・正直、なんでこんな思いをしなきゃならないんだろう?ってことも沢山ありました。 
ぶっちゃけ諦めてしまっても、楽をしても、誰にも文句を言われません。 
ただ、それじゃ売り上げが伸びるわけもなく、それは給料に反映され、生活は楽になりません。 
だから、がんばろうと思ってもトラブったり、違反で捕まったり、事故にまで至らないとしても危ない思いをしたり・・・ 

で、まあ、ある程度がんばって、そこそこの収入で我慢できればそれほどでも無いことに気づき、多くの働き盛りが残業残業また残業をしているところを、勤務形態が違うことはあるとはいえ、逆にやりたくても帰るしかないほど勤務時間は完全管理。 
出勤日数も月12日出れば良いから、13日ある月は1日休んでも良い。 
うまく組み合わせれば連休もとれるし、明けは眠いけど自由な時間となり、その時間も多い。 

前職では家にろくに帰る時間もなく、毎年10月から3月までは休みもろくに取れない状態が続く・・・そういう意味ではタクシーはキッチリしている。 

社長までやっちゃうと皆が自分の指揮で動くのでストレスは感じないけど、俺の場合は雇われ社長だったからオーナーの理不尽な要求にはストレスを感じていた。 
タクシーは出庫さえしてしまえば、お客さん以外に文句を言う人もいない。
まあ、それも結構なストレスなんだけどw 

そうゆう意味では、自分としては稼げないことを除けば、全く理想的な職場でした。 

でもね・・・ 

本当にこれで良いのだろうか?って思う反面、居心地の良さに甘えてきました。 

しかし・・・

深夜までどころか徹夜で働く友がいる。 
早朝から出勤してがんばる友がいる。 
かつて、仕事しろよ!と偉そうに言ったニートだった友が今は立派にがんばってる。 
好きな分野でがんばれ!と言った友が、その通りに好きな分野でがんばってる。 

なのに俺はこれで良いのか? 

真剣に考えることが多くなってきた。 

そんな中、自分で自分がどうしても許せない事態を迎える・・・ 

このままじゃ駄目だ! 

そう思ってもこのご時世だし、3年前より歳をとり、体力も落ち、一体どこが雇ってくれるのさ?
自分で事業を始めるにも資金もありません。

どこかに突破口はないか?と本を読んだりしたのですが、ふと昔先輩から紹介された小説を思い出した。

宮本輝 「ここに地終わり 海始まる」

この作品の話自体も非常に良いのだが、そこに出てくる一文はおそらく多くの人が心に刻み、苦境を乗り越えたに違いない。

その一文は

「冬は必ず春となる」

というものだ。

思えばこの数年の俺の人生は冬ではないか。
だが、冬は必ず春となるのだ。

ここで一番グッとくるのは「必ず」と言う部分だ。
そう!「必ず」だ。
そのチャンスは必ず来る。

そして、そのチャンスはあまりに突然に夜にやってきたw
それは古くからの友人の一本の電話だった。
うちの会社に来ない?との話に驚きつつ内容を聞いたが・・・

イマイチ話を飲込めなくて、次の日の乗務中に友人に会いに行って話を聞いたw
なんとなく、俺にもできる仕事なんじゃないか?と思った。
そして話はトントン拍子で進み、面接を受けさせてもらった。

とは言え、コンピューター関係の会社なので、その道のスペシャリストの中で、俺のようなほんのチョッとだけExcelができる程度の人間など本当に使ってもらえるだろうか?という不安を素直にぶつけてみた。

「年齢が年齢なんで、即戦力じゃない私のような人間でも大丈夫でしょうか?」

間髪入れず返ってきた答えが

「今即戦力でも、新しい技術についていけなければ同じです。猛勉強してがんばってもらえば大丈夫です」

なんとも暖かい言葉だった。
もし採用が決定したら、迷わず飛び込もうと思ったのだが・・・

人生にはモテ期というものがあるらしいw
会社でもタクシー部門からハイヤーに来ないかと誘いを受けたw
聞けば収入も安定するし、土日休みだし、残業もそれほどではないとか・・・

なんでここに来て、いきなり開けてくるんだ!
今度はなんとも贅沢な悩みになってきた。

ハイヤー部門からタクシーに移ってきた人は、嘘だから絶対に行くなと言うし、今までそれほど真剣に話したことがなかった班長まで引き止めてきた。

さて、どうしたものか?

タクシー続行か?ハイヤーか?完全なる異業種に転職か?

つづく