初めてExcelを使ったのは1998年だったと思う。

パソコンは趣味でいじるものの、仕事で使ったことが無かった俺には無縁なソフトだった。
字が下手な俺にとってワープロは欲しいものの一つだったが、文章を印字して使うことはほとんど無く、ネットの世界に放り投げるだけでよかったから、Wordも使ったことが無かった。
というより逆に言えば文章のレイアウトなんかは、Excelの方が簡単じゃね?くらいに思っていた。
まあ、それでも使わなかったのだけどw

そんな俺が何の参考書も読まず、ただ見本で渡されたファイルを頼りに、どうやったら同じものを作れるかを研究を繰り返していた。

と言うのも、とても特殊なExcelの使い方で、罫線を使って簡単な図を作るような感じで、セルに入力するのもどちらかと言えば数値よりは文字が多かった。
ほんの少しだけリンクされる部分があって、それを元に集計表を作ったりするのだが、そこにある関数の意味なども全くわからないところから感覚で覚えたに等しいwってか感覚で覚えられた時期だったのだなw

下手に他からコピペすると書式が変わってフォントが変わったり、字の大きさが変わったりするのがなぜなのか?もわからず、1つの項目に対して行数が不定形の小計記入欄に、なんのテクニックも関数もわからないから全部手打ちで入力したりしていたw

よくやってたよな~w

やがて値貼り付けや、オートフィルや、便利な関数を少しずつ覚えて、仕事も早く楽にできるようになっていった。

だが・・・

最初から基礎を学んでいれば、そんな無駄な時間はかからなかったとつくづく思うw

しかし、その膨大な無駄な時間を費やして覚えたものが宝なのだ。

やがてある程度わかってくると、どんなデータを扱っても同じ作業を繰り返していることに気づき、その作業をマクロを使って自動化することを覚える。
スキルがあがるほど、仕事は早くなり効率的になっていくが、その評価もされなきゃ、最後にはそれでも対応できないほど仕事量が増え、常に遅いと言われる状況に陥っていった。

通常の事務作業を専門にやる人、Excelを使いこなす人は沢山いると思うし、そんな人たちに比べれば自分のスキルなど鼻くそだと思うが、それでも自分としては・・・

「俺エクセラー!」

と名乗りたいくらいだったw
どこのネスカフェだw

しかし、転職して全くそんなスキルは役に立たず・・・
まあ、タクシーの売上管理とかはExcelでやってたけどねw
もう永遠に使わないスキルだと思っていた。

OSも進化してExcelのバージョンもあがる。
俺はいつまでたってもExcel2003どころか2000を使っていたのだw 
OSがxpまでは良かったが、やがてOSを7にすると2000を使う状況ではなく、かと言ってofficeなんか買う余裕もなくOOoとか使ってた(仮面ライダーじゃないよw
しかし、このOOoのCalcってのが全く使いにくくて「Excel互換だとすると今の2007とかこんなに使いにくいの?」なんて思っていたのだ。

人生に無駄は無い。

いや、無駄にしない方向を選んだつもりだが、転職したことで、またしてもExcelに触れる機会がやってきた。
初日にPCを渡され、最初のミッションは発行されたメアドを使ってoffice365のインストールとoutlookの設定だった。
業務のことはわからないが、こんな分野はおてのものだw

超久しぶりに純正officeに触れた。
次のミッションはPowerPointでの資料作成だった。
ほとんど使ったことが無いが、そこはなんとか課題の資料をつくりあげ、今度は同じものをExcelで作ってみようと思った。

久しぶりのExcelだが、やっぱりCalcなんて比べものにならんくらい使いやすいじゃないか!w

その後、与えられた仕事は数百社のHPから情報を収集し、Excelにまとめる仕事だった。
HPに書かれてることなので定型のフォーマットではない。
だが、それを同じ書式に加工するのだ。

おお、いよいよ生きるぞ!俺の鼻くそじゃない・・・スキル!w

いくつかのパターンを割出し、それに対応したマクロを組んでみた。
少し使い勝手は変わってるが思うように設定できた。
7つくらいマクロを組んだら、ほぼ全自動でできるようになった。

資料を作り上げた翌日。

「3月3日にMOSの試験があるから受けて」

MOS?それは噂にききしマイクロソフトオフィススペシャリストのことだった。

そう、我が拳は我流・・・

基礎を知らないまま育ち、自分に必要な部分のみに特化した邪道の拳w
ここいらで王道の免許皆伝を受けるのは望むところ!
それに大事なことがある・・・

それは!スペシャリストって響きがかっこいいw
秋名のダウンヒルのスペシャリストみたいでいいじゃないか!w
まあ、人生のダウンヒルならスペシャリストだがw

その夜から、練習問題付のテキストを買ってきて修行は始まった。

しかしよ~・・・意外に知らないことないぞwなんて侮っていた。
そうか・・・我が拳も中々磨きがかかっておるのだな!などと調子こいていたw

ぶっちゃけExcelにはスペシャリストの上にエキスパートってのがある。
正直ただのスペシャリストは全般的な使い方がわかります程度のことばかり。
難しい関数やマクロに関してはエキスパートの領域なのだ。
余談だが、エキスパートの方が凄くても、なんか電車の時間を検索するみたいでかっこ悪いと思ってしまう俺のセンスは相当良いと思うw

まあ、余裕だぜなんて思っていたのだが・・・

先日も話題になったのだが、皆さんは絶対参照という言葉を知っているだろうか?
Excelの計算式は他の部分にコピーすると、参照する行や列をオフセットして貼り付けられる。
これは便利である反面、参照する場所を変えてはならない場合もある。
そんなときは絶対参照だ。

A1を絶対参照したいなら$A$1となるが、この$を俺は今まで手打ちで打っていた。
ところが、参照指定したあとにF4キーを押すと絶対参照、もう一度押すと列指定、もう一度押すと行指定、もう一度押すと相対参照に戻るという機能を知らなかったのだw

これに限らずキーボードのショートカットについては知らないことだらけだw
俺の場合はマウスでの操作がとても多い。
ツールバーから何か選んだ方が早いこともあるが、大体は右クリックからってのが俺の基本だ。
仕事が早い人はほとんどキーボードから手を離さないから、まだまだ改善の余地は沢山あるのだと思う。

まあ、そんな知らなかった便利なことなんかも覚えながら、結構楽しく勉強できた気がする。

ただ、試験に関してはシビアで、機械の自動判定だから答えが同じでも違う関数を使ってはダメだったりする。
あとは、問題をよく読まないとダメなのは基本ですね。
一つだけじゃなく、二つのことをやるように書いてあることがあるのだけど、一つが終わったら次の設問を説き初めてしまって、答えあわせで、なんで間違ってるんだ!と怒ってみたりw

俺の買ったテキストには模擬試験が3回分付いていたけど、それに関しては2回目以降95点以下はなかった。
だが、初めてやる問題は意味を理解するのに時間がかかる。
これが意外にも厄介なのだ。
50分の試験時間に対して20問。
20問と言っても、ワークシートの切り替えが20回あり、その1つのワークシートに対してやる作業が2つか3つだ。
実質20問と言いながら、やる作業は40近い。
これを50分でやる。
1つの作業に対して1分ちょっとしか時間がないのだ。
どうすればいいんだ?なんて考えているようでは厳しいのだ。

つまり、あまり難しいことは求められないが設問の内容をすぐに理解して、ただちに作業していかないと間に合わないことになる。

浅く、広く理解し、正確かつある程度のスピードを求められるのがこの試験だ。
実質、仕事でやくにたつ部分もあるが、早く仕事ができる=使えるやつを育てるには確かに有効かもしれない。
もちろん試験は満点じゃなくても合格できるが、仕事ではミスは許されないのは違うところだがw

繰り返しになるが、Excel2000以外、今回の2010まで中間のバージョンを使ったことがなく、どのバージョンから実装された機能なのかは全くわからないが、2000でもあった機能もあれば、そうではないものもあった。
だから一通りは勉強したつもりだ。

そして、まだまだ先だと思ってた試験日は、あっと言う間にやってきたw

普段は使わない自宅から近いローカル線の駅から3つ先の駅にある試験会場。
全国一斉試験なんて言うから、でかい会場で沢山の受験生がいるのかと思ったら、エレベーターも無いビルの4Fにあるパソコン教室が試験会場だったw

受験票と身分証明書を見せて受付完了。
注意事項を読みながら試験開始を待つ。
あらかじめメールアドレスとパスワードで受験者IDを取得させられるが、それを入力して待っているとどうやら本日の問題は18問らしいことがわかった。

いつもは20問だが18問なら少しは余裕か?
いや、慣れた問題なら時間を余すが、初めての問題は読むだけでも時間がかかる。
その内容がわかりやすければ良いが、理解できないとさらに時間がかかる。
油断はできない。

キーボードにそれほどこだわりは無いが、俺にとってはマウスはスピードの生命線だ。
だが、落とし穴はそこではなかった。

それはモニターだった。

最近のワイドモニターではなく、四角いモニターで解像度も高くない。
これでは見渡せる範囲が狭い。
だが、ワークシートが見渡せないのはまだいい。
画面上3/4くらいがExcel画面で、問題は下1/4くらいなのだが、この問題もスクロールさせないと下まで見えないのだ。
おもわず言った・・・

やり方がきたねーよwと

しかも最初の注意にもあったが、自分の入力モードを決めたらIMEのツールバーを非表示にしろとw
確かにあって邪魔だったが、なにかあったら困るので出したままずらして使った。
いや、正確に言うなら1問目の問題でユーザービューの設定があり、IMEのツールバーが邪魔だったからずらしたのだった・・・ 

本当にやり方がきたねーよw

正直途中で全く設問の意味がわからない問題もあった。
この試験にはもう一つ特徴があって、設問のとおりに作業を終えたら「次へ」のボタンをクリックする。
そして、その「次へ」を押したら最後、その問題には戻れないのだ。
だが、あとで考えてから取り組みたい場合はスキップという機能がある。
これは全問題を回答後、その問題に戻れるのだ。
今回の場合だと18問を回答したあと、本来なら試験終了なのだが、スキップがあるとその問題に戻れるのだが、俺は勉強のときにわからないことはその場で覚えるためにスキップを一度も使ったことがなかったのだ。
試験中盤で残りの問題数と時間を見て絶望的な状況を感じ、あえてわからない問題はスキップしたのだった。
模擬試験を試験としてきちんと考えていなかったつけがまわってきた感じだ。
そして、試験慣れというか試験のためのテクニックが必要だと思った。

最後の15分くらいは本当に焦った。
てか、これ諦めるしかないかな?と思うほどだった。
ちなみにこの試験、今回は会社で費用をだしてもらってるが、1回1万円ちょっとかかってる。
そして、この試験のために業務時間中に勉強をすることも、勉強のために残業することも許してもらった。

落ちるわけにはいかねーし、落ちたからもう一回受けさせてくださいなんて口が裂けても言えない。
本当にダメなら謝って謝って、自腹でもう1回の話だろう。
ってか、そこまで能力無いなら無理だよと言われてもおかしくない。

諦めたら負けなんです!

まだ、時間はある。
焦らずやれば簡単な問題はできる。
満点を取る必要はない。
1,000点満点で700~800点でも合格になるようだ。
そう!これは仕事の一環だが、これ自体は仕事ではない。
ミスしても合格すればいいのだ。

後半はわかりやすい問題が多かった。
そして、ラスト2分で18問目を終了。
スキップに戻る。

ちなみにスキップした問題は3つの作業があって、1つの回答していてもスキップした時点で無効となり、最初からやり直しだ。
幸いにも1つ目がわからなかったから何もせずにスキップしていた。

そして、この残り時間で難解な1つ目を理解する時間に使うのも無駄であろう。
ここまでおそらくはそんなに酷い状況でもない。
1つ捨てても合否に影響はないはずだ。
ってか、この1つが合否に関わるようでは、まったく勉強してきた意味がない。
おもいきって捨てた。

この1つ目と連動する作業であるなら、2つ目3つ目も解けない可能性もあるが、ぜんぜん関係ない作業だった。
しかも超簡単なwその時の残り時間を見たら34秒だった。
この34秒に俺はバーストリンクを発動したかったが、できないので少しだけクロックアップしたw

残り2つの作業をやり終えて最後の次へを押すころには、多分数秒しか残っていなかったと思う。

さて、この試験の素晴らしく、また残酷なことは、結果はすぐにわかることだw
こんなシステムでやってるのだから当たり前だろう。

結果は1000点満点中900点で合格だった。

すぐさま試験官が結果をプリントアウトしてくれた。
ほとんどの項目で正答率100%だったが、環境の管理という項目は67%
セルやワークシートの書式設定については50%と散々な結果だった。

何か問題を読み飛ばしてしまったかな?

そこまでミスるとは思えないのだが・・・
まあ、これが実力なのだろう。
大方予想はしていたが、やはり時間との戦いとなった。

そんなわけで我が拳は我流であったが、教本を頼りに基礎から学びなおし、なんとかExcel2010のスペシャリストになることができた。

だが、こんなもんは少しExcelをいじったことがある人なら、1週間も勉強すれば、すぐ取得することができると思う。
上?と言っていいかわからないが、エキスパートもあれば、VBAもある。
しかし、それでさえも試験であって仕事ではない。
そんな資格を持っていなくても、稼げる人はいるのだ。

だが、Excelできますと言っても、どの程度できるのか客観的に判断するのは実際に仕事をさせなきゃわからない。
過去に一度だけ人材派遣の会社でこれと同じような実力測定を受けたことがあるが、とても有効だと思った。
そういった意味では、この資格を持っていることはパスポートにはならないが、ある程度の目安にはなると思う。

その程度のものだと思うが、俺はこの試験に合格したことがうれしい。

この先はエキスパートやVBAを取ってこいと言われるよりも、実践的にSQLを使えることが必要になるだろう。
仕事的にも、時間的にも、金銭的にも余裕があるわけではないし、資格マニアでもないが、挑戦してみたいと思っている。

奥義を繰り出せる、無敵の拳を我が手にするのだ!w